2−17 コーチングの専門用語としての「習慣」とは?

エフィカシージャパン所属コーチの衣川信之です。

 「コーチングの教科書」の基本連載です。未来思考で世界中の人の創造性と天才性を育み、利他的な人を増やす活動であるコーチングの学び方を、基礎からわかりやすく説明していきます。

2−17 コーチングの専門用語としての「習慣」とは?

 今回は、ゴールを実現していく時にとても大切になる「習慣」がテーマです。習慣という言葉に対する取り扱いも、日常用語の語感の「習慣」ではなく、コーチングの専門用語の場合はルー・タイスが築き上げたコーチングの用語や、苫米地博士が体系化しているそれぞれ専門性の高い各分野の科学の用語を使っていきます。ざっくりと日本語で「習慣」と言う場合の習慣は、英語では、そしてコーチング用語では、ハビットとアティテュードの二つがあるという理解が大切です。そして、それらのハビットやアティテュードがどのようなものであるか、ゴールや抽象度の概念とどのような関係があるのかを理解していき、マインドの扱い方を習得していくことが大切です。

苫米地英人「いい習慣が脳を変える」

 それでは、ここで、苫米地博士による、ハビットとアティテュードの説明を見ていきましょう。

ハビットは、無意識の癖を含む行動性向を指します。たとえば、毎朝歯を磨く、顔を洗うというようなこと。たいていそれらは「習慣」と訳されます。一方のアティテュードは、「物事に対する考え方」を意味します。

 苫米地博士は、ハビットとアティテュードの関係について、次のように説明しています。

 ここで、「健康維持のためには常に口内の清潔さを保つべきだ」というアティテュードがあれば、本当は「朝、起きてすぐ」と「朝食後すぐ」の二回歯を磨くということが、正しいハビットになります。しかし多くの人は、どちらか一回でしょう。それらの人々は「朝、歯を磨く」というハビットについて、より厳密なアティテュードを持っているわけではないということが分かります。

 ハビットとアティテュードに共通しているのは、両方とも脳内にできているパターンだということです。

 アティテュードの方は少し抽象的な性質が大きく、ハビットは具体的な行動まで伴っているパターンです。

 人間の脳内でそれらがどのように働いているのかというと、まずその人の「信念」であるブリーフシステム(Belief System)に基づき、アティテュードが生まれます。次に、そのアティテュードを行動に移します。それが繰り返されるとハビットになっていくのです。

 コーチング、抽象度の高いゴールを実現できる、そして利他的な人を増やす活動であるコーチングの体系としてマインドの扱い方で、習慣を理解していく場合、ゴールやブリーフシステムとの関連が重要です。そこを理解しているから、ゴールを実現できるような信念を選び、具体的な行動の元になる、アティテュードやハビットも、ゴールの自分にふさわしいようにモニターし、変えていくことができるようになります。

 表面的なハビットだけを変えるのは難しいですよね。その元に「物事に対する考え方」であるアティテュードがあり、そのアティテュードの元にまた長い期間にわたり他者の言動を吟味無しに受け入れてきた、そしてそれがコンフォートゾーンになってきたブリーフシステムやセルフイメージがくっついているのですから。ハビットだけを変えたり、無理なモチベーションで良い習慣を持続させようと思っても、なかなか難しいはずです。

 「まずその人の「信念」であるブリーフシステム(Belief System)に基づき、アティテュードが生まれます。次に、そのアティテュードを行動に移します。それが繰り返されるとハビットになっていくのです。」という基本をしっかり理解して、ゴールの世界の臨場感を作っていきましょう。

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