エフィカシージャパン所属コーチの衣川信之です。
「コーチングの教科書」の基本連載です。未来思考で世界中の人の創造性と天才性を育み、利他的な人を増やす活動であるコーチングの学び方を、基礎からわかりやすく説明していきます。
2−11 エフィカシーが高まるコンフォートゾーンの作り方
今回は、コンフォートゾーンについてです。ゴールを設定するとは、すなわち、セルフイメージやコンフォートゾーンを設定することになりますが、コンフォートゾーンの設定方法を間違えていると、エフィカシーも上がらないし、エフィカシーやパフォーマンスが上がらないことを外部環境や他人のせいにしたくなるし、そうするとますますエフィカシーやパフォーマンスが下がる悪循環に陥ってしまいますよね。
コンフォートゾーンを快適空間とか心地いい空間とだけ理解していると、どうしても現状のセルフイメージが強化されやすいです。まさに、言葉がイメージを作ってしまうからですね。コーチング用語の難しいところは、コーチング用語が認知科学に依拠した専門的な概念であることを忘れてしまい、ついつい自分の日常感覚で主に過去の情動記憶に基づくイメージを作ってしまいやすいことです。
まず、ニュートラルにコンフォートゾーンの概念を理解していくならば、セルフイメージでコンフォートゾーンが作られるのだ、というところからスタートするといいと思います。セルフトークでセルフイメージが作られ、そのセルフイメージでコンフォートゾーンが出来上がり、このコンフォートゾーンの中でパフォーマンスが発揮されます。このように全体のシステムのつながりの中で理解していくと、コンフォートゾーンって居心地がいい空間だよね、それを選べばいいんだよねという理解よりは、コーチングで言っているコンフォートゾーンの概念がつかみやすいし、セルフトークやセルフイメージとのつながり、そしてゴールとのつながりも見えてくるようになると思います。
そうするとだんだん、エフィカシーが上がった状態に意識が行き、「エフィカシーが上がった状態とは、その他の影響を受けず、自分のゴールだけで判断する状態です。それが自由の選択です。自由の選択が正しく、すべての結果は良い結果なのです。」という感覚をいつもキープできるようになり、セルフトークがゴール側の自分らしいものに変わってくるようになるでしょう。
では、コンフォートゾーンについて感覚がつかめてきたところで、今度は、コンフォートゾーンを設定するということについて理解を深めていきましょう。マインドの扱い方においては、一つ一つの構成要素である重要概念をしっかり全体のシステムとのつながりの中で緻密に理解を深めていくことが大切です。言葉は馴染んでしまえば簡単です。クルマやスマホは言葉として馴染むのは簡単ですが、クルマやスマホを設計するのは大変です。クルマやスマホは設計できなくても操作はできますが、自分のマインドについてはその仕組みを深く正確に理解しないと、正しく扱えるようにはなりません。
コンフォートゾーンを設定するとは、苫米地博士の言葉によると、自分の「want to」でゴールを設定し、そこから「いまあるべき自分の姿」を決めることです。この時に間違えやすいのが、コンフォートゾーンとして想定しているのが、自分の「現在」ではなく、「未来」の姿だと思ってしまうことだ、と博士は書籍で書かれています。
最高の未来をゴールとして選んでいくときに、その時には未来にはこうなりたいと理想をイメージしていくわけですが、コンフォートゾーンを設定する時には、「『未来の自分』を『現在の自分』に置き換える」作業が必要です。このことについては、「本当はすごい私」という本の中に述べられています。決定的に重要なポイントです。
コンフォートゾーンを設定する時には、「『未来の自分』を『現在の自分』に置き換える」のです。
このことは、言葉だけで概念的に理解するだけでは足りないというか、混乱しやすいです。実際にすごいコーチングを受ければ、これが起きるのです。起きたから、自分の現状の過去記憶からなるコンフォートゾーンがいい意味でぶち壊され、ゴール側のあるべきコンフォートゾーンが自分に親しみのある空間として正しく設定されるのです。
コンフォートゾーンを設定する時には、「『未来の自分』を『現在の自分』に置き換える」というのは、「すでに夢・目標を達成している自分から見た現在」を描き出すことです。現在形で未来を認識するということです。コンフォートゾーンを設定する時には、「『未来の自分』を『現在の自分』に置き換えるのです。「本当はすごい私」という本には、苫米地博士が作った10個のアファメーションが書いてあります。ぜひ読んで活用してほしいダントツにお薦めする本の一冊です。