エフィカシージャパン所属コーチの衣川信之です。
「コーチングの教科書」の基本連載です。未来思考で世界中の人の創造性と天才性を育み、利他的な人を増やす活動であるコーチングの学び方を、基礎からわかりやすく説明していきます。
2−7 エフィカシーを高める良いセルフトークの例
今回は、良いセルフトークの例についてです。マインドの扱い方、自分の宇宙の扱い方の体系であるコーチング理論で言う良いセルフトークは、現状の外のゴールに対するエフィカシーを高めるセルフトークだということになります。
セルフトークとは、「しまった!」とか「なんて俺は馬鹿なんだ」とか、自分の中で内省的に言ってしまう独り言のことでしたよね。自分ではなかなか気づかないのですが、「ワーズ、ピクチャー、エモーション」と一体になって、常にセルフトークが自分のセルフイメージとコンフォートゾーンを強化していきます。コンフォートゾーンの外側はなかなか見えなくなってしまうので、現状がさらに強化されていきます。
では、どうしたらいいかということですが、コンフォートゾーンの中でしかパフォーマンスが発揮されない、パフォーマンスが出ない、というマインドのカラクリを活用します。ルー・タイスや苫米地博士が普及してきたコーチングの導入実績を見てもらえればわかると思いますが、プロのアスリートから、政治家、経営者、芸術家、科学者まで、天才的・超人的なハイパフォーマンスを実現してきた人の多くが、現代ではこのコーチング理論を学び、コーチから指導を受けながら、高いパフォーマンスを出すようになってきています。
この世界には、コンフォートゾーンという不思議なからくりがあるのです。コンフォートゾーンの外にはなかなか行けない、コンフォートゾーンの中でしか高いパフォーマンスが出ない。
では、どうするか?やることは二つです。
(1)コンフォートゾーンの限界である「自己イメージの限界」をどうやって上げるのか?
(2)新しいコンフォートゾーンである「新しい自己イメージ」にどうやって臨場感を持たせるのか?
です。
ゴール側のパフォーマンスを出す時に、そのパフォーマンスのレベルを決めているのはゴール側のコンフォートゾーンです。では、どうやってゴール側のコンフォートゾーンを作るのか、ゴール側のコンフォートゾーンに移行するのか、できるのか、どうしたらいいのかです。
それでは、苫米地博士が書籍の中で実際に「良いセルフトークの例」として書かれているものを紹介します。良いセルフトークの例をたくさん集めていくのも、とても効果的だと思います。
セルフトークやアファメーションを、自己啓発、自己実現、願望達成の側面が強調された最近の引き寄せの法則の捉え方だと、欲しい結果をただ繰り返し唱えることかというイメージを持っている人も多いかと思います。でも、ルー・タイスは言いました。
「すべての意味ある永続的変化は、内から始まり外に広がる」
これが、人生のゴールを達成する、すなわちコンフォートゾーンを上げるための技術としての「アファメーション」の原理です。
セルフトークもアファメーションも、欲しい結果を唱えるだけのおまじないではありません。それだけではコンフォートゾーンが変わりません。
セルフトークを通して、いろいろな認識を変えていくことが大切です。苫米地博士が、たとえば「「バイリンガルは二重人格」という書籍の中で挙げている良いセルフトークの例としては、
「私はゴールを達成することができる。そういう心を持っている。何が起きても日々ゴールに近づきつづける」
「私は高いエフィカシーを維持している。誰が何をいっても私のエフィカシーは上がりつづける」
があります。
また、博士は、次のようなセルフトークも紹介されています。
「私はいつも、ごく自然にベストな選択をしている。その結果、現在の私は完璧にベストな状態にいるので、毎日がどんどん楽しくなってきている」
抽象化された知識を吸収しつつ、新しい自己イメージを選択することによって、理想の人格を決定され、それが新しいコンフォートゾーンになっていくからです。抽象化された知識というものが、いかにゴール側のパフォーマンスの決め手となるコンフォートゾーンに有効であるかがわかると思います。